前回のブログを読み返していて、少し大きな世界の事を書きすぎたと反省した。個人としてサラリーマンも会社経営も経験して、大切なことは「金の事を考えて仕事をする」ということだ。
企業を経営すると一番気になるのは資金繰りだ。上場企業になると営業と管理に別れそれぞれの与えられた範囲での仕事になる。中小企業はそうもいかない。特に中小小売業は毎月のキャッシュ残高を気にしていかねばならない。大企業で働いていた時はいかに気楽に仕事をしていたのかと痛切に感じた。
「お前の好きなように仕入れてやってみたらいい」。小売業ではよく聞く言葉だ。例えば好きなように仕入れた金額が300千だったとして、もし自分で商売をやっていればどういうことか考えるべきだ。その300千は自分の貯金残高で足りるのか?いつ払うのか?ちゃんと売れてキャッシュインするのか?どういう金の流れになっているのか?つまり「人の金」だから簡単に行動できる。そして、複数店舗に仕入れるとしたらさらに金額は大きくなる。また、そういう指示を簡単にする上司も多い。そうなると責任の所在が分からなくなる。
在庫管理にしてもそうだ。商品の「先入れ先出し」は食品でよく使われるが、衣料服飾品でも在庫を新鮮に見せる努力は必要だ。常に売場の鮮度を高めるためにどうすべきか考えて仕事をする。やはり単品データを細かく見て他店比較し、売り方、見せ方を定期的に変えるようにしているかは大事なことだ。売る努力が必要で、売れない商品は手を加えなければもっと厳しい商品になってしまう。つまり値段を下げることも必要になってくる。
本部で仕入れにかかわるスタッフは、金に関しては一番責任が重い。このブログでもよく書いているが、昔のイトーヨーカドーのDB(ディストリビューター)のような立場のスタッフは、絶対に必要だ。仕入れ枠の管理を徹底する人間が必要で、商品内容でなく絶対的数字でジャッジする必要がある。今ならAIを使う会社がありそうだ。
つまり商品は「金」の意識を持たないと、商売は潤滑に回らない。すべて自分の金で仕入れた意識を持ち、その「金」が回っているかどうかを確認することが一番大事なことだ。数字で言うと支払いサイト(支払い日数)と在庫日数をチェックすればいい。過去小売業を経営していた時、キャッシュフローを細かくチェックしていたが、毎年黒字計上にもかかわらず、月末にキャッシュ不足になることが年1.2回はあった。銀行の当座貸越などでしのいだが、やはり12月支払い期の2月末のキャッシュ残で1年の商売が終わる感覚を持ったことを思い出す。
その他、開発のスタッフも大きな金が動くという意味では、責任は大きい。以前も書いたが、売場内装への投資金額は大きい。その責任の所在も不明確な事も多い。出店計画書を細かく話し合い、その結果への責任も明確にする必要があると思う。
小売業は「金」のジャッジが難しい。そして、それは結果でジャッジされる。一番必要なのは、「金」の流れを冷静に見極め、迅速に途中で軌道修正できる体制だと思う。
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