約20年前に、店を立ち上げた。

もともとはビブレ(マイカル)にいた。ビブレはファッションビルのようで食品以外でも30以上の自主MDショップを展開していた。つまりブランドで集客し直営ショップで儲けるという仕組みだった。館として20以上のSCを持っていたのでの各直営ショップもある程度の規模の売上はあった。マイカル破綻後、イオンの管財人から直営ショップの損益を出すように指示があり、結果2ショップだけが黒字だった。「PLだけでなくBSも見ろ」との指示もあり、確認すると2ショップとも完全に在庫過多で債務超過の状況だった。立ち上げた店はその内の1つに近いMDで、徹底的に回転率を意識した。MD経験者もおり、何とかピークは30店舗近くまで店を広げた。

今、そのMDで再度店を始められるだろうか?「絶対無理」だと思う。環境が悪化しすぎている。

まず、もう出店余地はない。戦う土俵の主軸となるRSCのパワーがなくなっている。20年前ならまだ成長期で前向きなテナントにも出店の余地があったし、新しいテナントをデベロッパーも探していた。それが今は衰退期に入っており、安定感のあるテナントが求められている。リスクを持ったテナントリーシングはやらなくなっている。

次に、何でもかんでもコストが上がりすぎている。商品の原価は当たり前として、そうなると当然売価を抑えにくくなっている。30店舗前後ではまだ商品リスクは完全にはとりにくい。50店舗でも厳しいかもしれない。売価を抑えるには店舗数が必要になってくる。

ということで、商品コストを抑えるために出店は不可欠だが、その出店コストも上がっている。最初に揚げた大型の安定感あるテナントを優先され、魅力的な立地に望ましい条件での出店は厳しい。大型店の条件の皺寄せが中小型店に来る。

そして何よりも人件費が上がっている。スタッフ数も減少しているし、おのずとスタッフのレベルも上がってこない。要員不足でスタッフの教育に手が回っていない。マネジメント層が売場要員になってしまっている。それは企業の問題かもしれないが、土日仕事で立ち仕事は、腰を落ち着けてする仕事ではなくなっている。

ターゲット顧客数も減少し続けている。何度か書いているが、20才から59才までの人口は10年後には現状の88%になり20年後には81%まで減ってしまう。つまり普通にやっていては増収はないということになる。そして、さらに高齢化は進んでいく。データによると10年後には衣料系の国内売上は現状のー2800億、20年後にはー4000億位になるという指標がある。ターゲット数減少下で、中小企業が勝ち抜くにはハードルは高い。 

当初考えた20年前のビジネスモデルは、頑張ればまだ通用すると思う。ただ、そのビジネスモデルを徹底するには、「人」「物」「金」が必要になってくる。そこまでの道は険しすぎる。

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